洗濯を終えた服を取り出して、ふと気がついた。
お気に入りのTシャツに、小さな穴がひとつ、ぽつりと開いている。
「……なんで?」
このシャツはポリエステル100%のはずだ。
ウールやコットンならまだしも、化学繊維なら虫の被害なんてないと思っていた。
けれど、その穴はどう見ても“虫食い”のような、不自然なえぐれ方をしている。
気になったので、調べてみた。
ポリエステルは基本、虫に強い素材
基本的にポリエステルは虫に食べられにくい素材。
ウールやシルク、コットンといった天然繊維に比べると、虫たちにとってはあまり魅力的ではないらしい。
じゃあ、ポリエステルの服に穴が開くのはどういうときか。
調べるうちに、いくつか例外的なケースが出てきた。
「ポリ100%」でも油断できない例外たち
たとえばこんな場合に、虫が寄ってくることがある。
素材表記には「ポリエステル100%」とあっても、
縫い糸やタグ、ステッチなどがコットン混だったり、
衣類に付着した皮脂や汗、
食べこぼしなどに誘引された虫が、近くの天然繊維部分をかじった。
単純に、摩擦やひっかけ、熱ダメージによる穴が虫食いに見えただけ。
ポリエステル×コットンの混紡は、虫のターゲット?
さらに気になったのが、ポリエステルとコットンの混紡素材。
いわゆる「ポリコットン」。
これも、虫にとっては“食べられなくはない”素材らしい。
ポリエステル50%、コットン50%みたいな混紡になると、
虫たちは天然繊維の部分だけ選んで食べることがある。
人間から見れば生地はひとつの布でも、
虫からすれば「おいしいところだけかじればいい」みたいな感じで、
結果的に、布そのものが削れて小さな穴が開く。
混紡素材はポリエステルとコットンが細かく混ざっている構造なので、
一部だけ食べても全体が崩れやすい。
つまり、混紡は“虫に狙われやすい素材”になる可能性がある。
タグ表示は一部だけ。見えないところにも天然繊維
それに、服のタグに表示されている素材はたいてい「表地」の話。
裏地や縫い糸、飾りテープなどには別素材が使われていることもある。
つまり、見た目や表示だけでは「完全ポリエステル」だと断言できないのが服のやっかいなところ。
虫食いを防ぐには、結局こうするしかない
たとえポリエステルでも、保管中に虫が寄ってくるスキはある。
やれることといえば
- 長期保管のときは洗濯してから収納
- 虫除け剤を入れておく(無臭タイプでOK)
- たまに引っ張り出して空気に触れさせる
それでも穴が開くときは開くんだけど。
たいてい、そういうときに限ってお気に入りだったりする。
まとめ
「ポリエステルだから安心」っていうのは、ちょっと過信だったかもしれない。
虫たちは案外、素材の裏側まで見ている。