電子マネーに挑戦した日
電子マネーに挑戦した日である。
今回は具体的に PayPay に挑戦することにした。
ネットショッピングやネットバンク、買い物に出掛けても最近はセルフレジなど、なれない私には便利なのか不便なのかよくわからない
恐らくは便利なのだろう。
急速に発達している世の中に、私個人はアナログで問題ないのだが、
日々勉強でもあるため、時代についていこうとするべくそれらを学ぶのであった。
そこで今回は電子マネーに挑戦することにした。
前々から財布を落したら、どうしようとは考えていたのである。
盗まれたときも同じである。旅行中ならなおさら。
現金しか持たぬ暮らしでは、一文無しになるに違いない。
しかし、スマホがあれば取りあえずの支払いはできる。
電子マネーという仕組みは、そんな不安を少し軽くしてくれるはずだ。
そう考えて、私は電子マネーの登録に挑戦したのであった。
謎の暗証番号との遭遇
アプリを開き、本人確認の画面に進む。カードを選べばすぐに登録できるはずだ。
そう思っていたのに、画面に現れたのは「6桁から16桁の暗証番号を入力してください」という冷たい文字であった。
「はて?こんな暗証番号登録した覚えはないんだが。」
私はスマホを握りしめたまま固まった。
まるで物語の途中で突然現れる鍵穴のように、私の挑戦は立ち止まったのである。
調べてみたら…
この暗証番号は、カードを持つ本人が「確かに自分である」と示すための特別な鍵であった。
普段の買い物やログインに使う四桁の番号とは別に、より重要な手続きや契約を行う際に使われる。
例えば、ネットバンクの口座開設や電子申請など、本人の意思を証明する場面で必要になる。
四桁の番号なら、私はマイナンバーカードを保険証として使っているので知っているのだが、この六桁以上の番号についてはまったく記憶がない。
そのため、登録していない人も多く、知らぬまま電子マネーに挑戦して立ち止まる人が後を絶たないのである。
なるほど、私が覚えていないのも無理はないのであった。
しかし、電子マネーを使うにはこの鍵を通らなければならない。
未来の支払いに挑戦するために、まず過去の鍵を思い出さなければならない。
私は少し苦笑した。「便利さを求めたら、結局ここで立ち止まるのか。」
免許証での登録
結局、本人確認は運転免許証で行うことにした。免許証にもICチップが埋め込まれているらしく、
スマホに免許証を翳すと個人情報が読み取れるようになっているのである。画面の指示に従い、私はそっと免許証をかざした。
すると今度は、免許証更新のときに記入させられた四桁の暗証番号を二つ入力せよと告げられた。
ひとつは覚えている。しかし、もうひとつはどうにもはっきりしない。
しかも三回間違えると、警察署か免許センターへ行って解除せねばならないと書いてある。ここは慎重に思い出すしかなかった。
私はしばし画面の前で沈思黙考した。更新日の待合室の匂い、記入台の鉛筆の重さ、番号欄の小ささ――記憶の断片を拾い集める。
意を決して二つ目のコードを入力すると、正解だったのか、画面は何事もなかったように次の項目へ移動した。
小さく息を吐いた。ここもまた、ひとつクリアである。

銀行口座との紐付け
本人確認を終えたあと、次は銀行口座との紐付けである。
ところが私の口座は昔に作ったもので、登録していた電話番号は自宅の固定電話であった。
画面に番号を入力すると、二段階認証の案内が出る。
携帯電話ならSMSにコードが送られてくるのだが、固定電話の場合は銀行のフリーダイヤルが表示され、そこに電話をかけて音声でパスコードを受け取る仕組みになっていた。
私は受話器を握り、機械音声に耳を傾けた。
「パスコードは〇〇〇〇です」
まるで秘密の暗号を読み上げられるようで、少し滑稽でもあり、初めての体験でもあった。
電子マネーの挑戦は、スマホの画面だけで完結すると思っていたのに、結局は固定電話を通じてコードを受け取るという、アナログとデジタルの奇妙な交差点に立たされたのである。
暗証番号を越えて
未来の支払いに挑戦するために、私はまたひとつ鍵穴を越えたのである。
電子マネーの軽やかさと、暗証番号や認証の重たさ。
その両方を抱えながら暮らすのが、私たちの時代なのであった。
スマホを机の上に置きながら、私は「またひとつクリア」と呟いた。
本人確認に続き、銀行口座の紐付けも終えた。
しかし、支払い方法はというと、正直まだよくわからない。
これから先は、読者の想像にお任せしよう。
未来の支払いは軽やかなのか、それともまた新たな鍵穴が待ち構えているのか──。
