外はしとしと雨。こんな日は、なんとなく気分も重くなる。そんな時、ふと『雨に唄えば(Singin’ in the Rain)』を思い出す。
『雨に唄えば(Singin’ in the Rain)』は1952年に公開されたアメリカのミュージカル映画で、ハリウッド黄金期を代表する名作の一つ。監督はジーン・ケリーとスタンリー・ドーネン。主演のジーン・ケリーをはじめ、ドナルド・オコナー、デビー・レイノルズが出演し、音楽とダンス、コメディが見事に融合した作品だ。
舞台は1920年代後半、サイレント映画からトーキー映画への移行期のハリウッド。主人公のドン・ロックウッドは人気サイレント映画スターだが、声が合わずトーキー映画で苦戦する。相棒のコズモ・ブラウンと共に、キャシー・セルデンの声を吹き替えとして使い、新たな映画を作り上げる過程で生まれる笑いと工夫が描かれる。
名場面と魅力
映画史に残る象徴的なシーンは、ドン・ロックウッドが雨の中で歌い踊る「雨に唄えば」の場面。濡れた靴や服をものともせず、自由に喜びを表現する姿は、観る人の心に鮮やかな印象を残す。
さらに、サイレント映画からトーキーへの変化という時代背景をユーモアたっぷりに描くことで、変化に柔軟に対応することの大切さも自然と伝わってくる。ダンスや歌の完成度の高さだけでなく、物語の巧みさ、演者の表情や演技も見どころだ。
映画が伝えるメッセージ
『雨に唄えば』は、ただの楽しいミュージカルではない。映画が伝えるメッセージは二つある。
1. 変化を楽しむ心
時代の変化や困難に直面しても、嘆くのではなく工夫して前に進むこと。映画の中でドンと仲間たちが挑戦する姿は、現実世界でも大切な姿勢を示している。
2. 喜びを表現することの大切さ
雨の中で歌い踊るシーンは、逆境でも心を閉ざさず、楽しみを見つける力の象徴。小さな喜びや日常の瞬間を大切にすることが、人生を豊かにするという哲学が込められている。
今も色あせない魅力
70年近く経った今も、この映画は世界中で愛され続けている。ダンスや歌だけでなく、ストーリーやメッセージが普遍的で、どの世代でも共感できる点が名作たる所以だ。雨の日に観ると、憂鬱さも少し和らぐかもしれない。

