夜空を見上げると、月はいつも同じように見える。
しかし時折、「スーパームーン」「ブルームーン」「赤い月」といった特別な呼び名で語られることがある。
これらは同じ「珍しい月」でも、意味はまったく異なる。
スーパームーンとは
スーパームーンとは、月が地球に最も近づく時期の満月を指す。
そのため、いつもより大きく、明るく見える。
実際には直径で10〜14%ほどの違いだが、心理的なインパクトは大きい。
「特別な満月」として人気が高いのも納得である。
ブルームーンとは
ブルームーンは「青い月」ではない。
ひと月のうちに満月が2回巡ってきたとき、その2回目をブルームーンと呼ぶ。
およそ2〜3年に1度起こる現象で、「めったにないこと」を意味する英語表現 once in a blue moon に由来している。
つまり、月の色ではなく「レア度」に注目した呼び名である。
赤い月の正体
赤い月には2つの理由がある。
ひとつは、月が地平線近くにあるとき。大気を通過する光が散乱し、夕日と同じ原理で赤っぽく見える。
もうひとつは、皆既月食のとき。地球の影を通過する際に太陽光が屈折し、赤銅色に染まる。
古くは「不吉」とされたこともあるが、科学的には光の屈折現象にすぎない。
違いを整理すると
スーパームーン=大きさ
ブルームーン=回数
赤い月=色
同じ「珍しい月」でも、注目しているポイントはまったく別物だ。
ただし共通しているのは、人々を魅了し、特別な夜空を演出するということ。
まとめ
月は、ただ空に浮かんでいるだけで不思議な力を持つ。
呼び名が変わるだけで、私たちはその姿に新しい意味を見いだす。
スーパームーンも、ブルームーンも、赤い月も──
結局のところ、「いつもの月」なのだ。
それでも、人はそこに物語を重ね、楽しんできた。
そう考えると、月はやはり特別な存在である。
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