世界の数え方と言語の不思議──数字は万国共通じゃなかった

旅行・体験記

数字は世界共通の“言葉”だと、ずっと思っていた

1はoneで、unoで、unで……まあ言い方こそ違えど、中身は同じはずだと思っていた。

しかしながら、実際に海外で暮らしたり旅行したりすると、この思い込みがいとも簡単に崩れる。

「え、十五って、十と五をつなげた言い方じゃないの?」

「なんで七十は六十+十になるの?」

──つまり、数字は共通言語どころか、文化のクセが詰まった方言みたいなものだった。

数字の言い方は国ごとにバラバラ

英語・スペイン語・日本語の数え方

英語では1〜12までが独立した単語で、13から”teen”形式になる(thirteen, fourteen…)。

一方で、スペイン語は15までがひと続きの単語(quince)で、16からは「十+数字」の形(dieciséis)になる。

日本語は十進法をそのまま組み合わせるので、十一=10+1、十二=10+2と非常に素直である。

つまり、数字の言い方には国ごとのルールが色濃く反映されているのだ。

フランス語・ドイツ語・中国語の数え方

フランス語はもっと独特で、17から19は「十+数字」形式だが、70以降がややこしい。

七十はsoixante-dix(60+10)、八十はquatre-vingts(4×20)、九十はquatre-vingt-dix(4×20+10)だ。

まるで暗算の練習である。

さらにドイツ語は21を「一と二十(einundzwanzig)」のように逆順で言う。

中国語は十一=十+一とシンプルだが、歴史的には別の数体系もあった。

日数の数え方も違う

数字だけでなく、「何日後」という感覚も国によって違う。

日本は多くの場合、翌日から数えるが、国によっては今日を含めて数える。

たとえばメキシコで「10日後に来て」と言われると、日本人の感覚より1日早くなることがある。

ホテルや飛行機の予約で勘違いすると、到着日と滞在日がズレてしまうのだ。

数字は文化の化石

なぜこんな違いがあるのか。

理由は、昔の数体系や単位の名残である。

20進法(フランス語の80=4×20)や、60進法(時計や角度の360°)は、古代の測量や

商取引の慣習から生まれた。

つまり、数字の言い方は単なる言語ではなく、その国の歴史や生活が染み込んだ“化石”なのだ。

海外で数字に気をつける心構え

世界共通の数字と思って油断していると、思わぬ落とし穴がある。

次に海外へ行くときは、「10」という数字の言い方ひとつにも、文化の香りが潜んでいることを思い出したい。

数字 日本語 英語 スペイン語 フランス語 ドイツ語 中国語
1 one uno un eins
2 two dos deux zwei
3 three tres trois drei
4 four cuatro quatre vier
5 five cinco cinq fünf
6 six seis six sechs
7 seven siete sept sieben
8 eight ocho huit acht
9 nine nueve neuf neun
10 ten diez dix zehn
11 十一 eleven once onze elf 十一
12 十二 twelve doce douze zwölf 十二
13 十三 thirteen trece treize dreizehn 十三
14 十四 fourteen catorce quatorze vierzehn 十四
15 十五 fifteen quince quinze fünfzehn 十五
16 十六 sixteen dieciséis seize sechzehn 十六
17 十七 seventeen diecisiete dix-sept siebzehn 十七
18 十八 eighteen dieciocho dix-huit achtzehn 十八
19 十九 nineteen diecinueve dix-neuf neunzehn 十九
20 二十 twenty veinte vingt zwanzig 二十

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