夏の夜、部屋にふわっと香る蚊取り線香。
煙が漂うと、蚊が近づかなくなる気がする。
でも、どうして蚊取り線香は効くのだろうか。
除虫菊の成分
蚊取り線香のルーツは「除虫菊」という植物。
この花に含まれる「ピレトリン」という成分には、蚊やハエなどを麻痺させる殺虫作用がある。
ただし天然のピレトリンは光や熱で分解されやすく、すぐに効き目が薄れてしまう。
そのため、昔の蚊取り線香は「殺す」というより「弱らせて追い払う」ように見えたのだ。
煙の役割
線香から出る煙は、ただの煙ではない。
燃えることで有効成分が煙に乗り、部屋の中に広がっていく。
蚊はにおいに敏感なので、この成分に触れると神経が混乱し、動けなくなってしまう。
今の蚊取り線香
現代の蚊取り線香は、天然ピレトリンの弱点を克服した合成ピレスロイドが主成分。
分解されにくく、殺虫効果がしっかり続く。
つまり今の蚊取り線香は「寄せ付けない」だけでなく、「ちゃんと仕留める」力を持っているのだ。
まとめ
蚊取り線香は、除虫菊の成分が持つ殺虫作用と、煙に乗って広がる仕組みで蚊を退ける。
昔は「追い払う」イメージ、今は「殺す」効果。
科学の視点で眺めると、夏の夜の小さな習慣も少し面白くなる。
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