コーヒーといえば「眠気覚まし」の代名詞のような存在だ。
朝の一杯や仕事中の休憩で、香りを楽しみながら頭をすっきりさせる。
そんな習慣を持つ人は多いだろう。
ところが、人によっては「コーヒーを飲んだのに逆に眠くなった」という経験がある。
これは単なる気のせいではなく、体の仕組みやその日のコンディションによって起こる現象だ。
カフェインが眠気を呼ぶ理由
カフェインは脳の中で眠気を引き起こす「アデノシン」という物質の働きをブロックすることで覚醒作用をもたらす。
しかし、普段からカフェインを摂取する習慣があると、脳がその状態に慣れてしまい、受容体が増えるなどの変化が起きる。
結果として、カフェインの効き目が弱くなることがあるのだ。
さらに、カフェインの効果が切れたときには、溜まっていたアデノシンが一気に働き出し、強い眠気に襲われることもある。
このため「飲んだ直後は元気になったのに、しばらくすると猛烈に眠くなる」という不思議な現象が起きるわけだ。
もう一つの可能性は、コーヒーを飲むことで得られるリラックス効果だ。
香りや温かさ、ほっと一息つく時間が、副交感神経を優位にし、体を休息モードに切り替えることがある。
特に、心身が疲れているときには、そのまま眠気へとつながってしまう。
「紅茶のほうがカフェインが多い」という話の真相
よく「紅茶はコーヒーよりカフェインが多い」と耳にする。
これは半分正解で、半分は誤解だ。
確かに、乾燥した茶葉の重さあたりで比べると、紅茶のほうがカフェインを多く含むことがある。
しかし、実際に飲むときは紅茶の茶葉は少量しか使わず、抽出時間も短いため、1杯あたりのカフェイン量はコーヒーのほうが多くなるのだ。
- コーヒー(150ml)…約80〜120mg
- 紅茶(150ml)…約30〜60mg
- コーラ(350ml)…約20〜40mg
こうして見ると、コーヒーのほうが圧倒的に強いことがわかる。
おまけ:コーラにもカフェインはある
ちなみに、コーラにも少量ながらカフェインが含まれている。
私の場合、コーヒーでは眠れなくならないのに、なぜかたまにコーラを飲むと寝つきが悪くなることがある。
量は少なくても、糖分や炭酸、飲むタイミングによっては意外と効くのかもしれない。
まとめ
カフェインの感じ方は人それぞれだ。
「眠気覚ましのつもりが眠くなる」こともあれば、その逆もある。
自分の体の反応を知り、無理なく楽しむのが一番だろう。