「今日はやる気が出ないから、また今度にしよう」
そんなふうに、自分をごまかすことがよくある。
やる気さえ出れば…と、ずっと思っているのに、
気がつけば、何も始まらないまま日が暮れていく。
でも、ふとしたきっかけで手をつけてみると、
案外スムーズにできたりする。
始めてしまえば、身体も心も勝手に動き出す。
さっきまでの「面倒くさい」は、どこかへ消えてしまっている。
やる気があるから始めるのではなく、
始めたからやる気が出てくる。
どうやら、順番を間違えていたのかもしれない。
「やる気が出るのを待つ」のは、
誰かが訪ねてきてくれるのを玄関で待ち続けるようなものだ。
その“誰か”は、たいてい遅れてくるし、
来るころにはこっちが寝てしまっていたりする。
行動にはスイッチが要る。
だけどそのスイッチは、やる気ではなく「ほんのちょっとの動作」だったりする。
机に向かってみる、道具を手に取る、タイマーを1分だけセットしてみる──
そんな小さなアクションだけで、重かった腰が少しずつ持ち上がっていく。
やる気なんて、はじめから期待しなくていい。
「どうせ出ない」と思っておいたほうが、かえって気楽だ。
やる気がないまま始めて、
気づいたら夢中になっていた──
そんな経験、あなたにもきっとあるだろう。
あれは偶然じゃない。人間の仕組みとして、きっとそういうふうにできている。