やりたいことがある。
胸の奥でずっと熱を持ちつづけているようなものだ。
時間が経っても冷めることはなかったし、ふとした瞬間に「これをやりたいんだ」と確信することもある。
でも、すぐには動けない。
理由ははっきりしている。
怖いのだ。
なぜ、やりたいことがあるのに動けないのか
やりたいことに向かうには、今していることとは違う道を選ばなければならない。
その瞬間、これまで積み上げてきたものが崩れるような気がする。
今の仕事を辞めること。
定期的な収入がなくなること。
社会的な肩書きが外れること。
そして、何よりも生活が立ち行かなくなるかもしれないという不安。
夢を追うには、現実と向き合う覚悟がいる
夢を追うというのは、キラキラしたことのように見えるけれど、実際には、生活費・家賃・将来の貯金といった現実的な計算を伴う。
たとえば、月にいくらあれば生きていけるのか。
何ヶ月持ちこたえられるのか。
その間に結果が出なかったら、どうするのか
そんな数字が頭の中をぐるぐると回る。
本当は「思いきって挑戦してみたい」と思っているのに、
足がすくんでしまうのは、情熱が足りないからではない。
現実が重いからだ。
怖がりながらでも、一歩踏み出していい
「やりたいことがあるのに動けない」のは、
甘えではない。
むしろ、ちゃんと生きようとしている証拠だと思う。
だから私は、自分を責めないことにした。
すぐに大きく動けなくても、
今できる小さな一歩を積み重ねていけばいい。
たとえば、夜の1時間だけ夢の作業をすることでもいいし、
休日に少しずつ情報を集めることでもいい。
一気に全てを手放すことはできなくても、
心を置いてきた場所に、少しずつ近づいていく。
夢があることは、人生の強みだ。
でも、その夢に向かう怖さを認めることもまた、
大人としての、ひとつの誠実な姿勢なのだと思う。