「自分には価値がない」そう感じてしまう瞬間は誰にでもある。
何をやってもうまくいかず、周りと比べては自信を失う。
評価されるのは、目に見える成果やお金ばかり。
そんな世の中では、つい自分の存在すら軽く見てしまうことがある。
しかし、私はこう思っている。
「経験こそが本当の財産である」と。
一銭にもならないかもしれない。
けれど、それは何にも代えがたい価値を持っている。
つまり、プライスレスなのだ。
経験は、誰にも奪えない
経験とは、誰かと比べられるものではない。
その人が、その人として生きてきた証そのものである。
小さなことでもいい。
朝起きて、しんどい気持ちを押して仕事に行ったこと。
人の言葉に傷つきながらも、なんとか一日をやり過ごしたこと。
誰にも褒められないような出来事の中にも、経験は確かに積み重なっている。
それは他人に測れるものではなく、自分だけが知っている重みだ。
私の「無価値な経験」
私は若いころ、仕事を辞めて海外へ行ったことがある。
理由はただ一つ、「若いうちに経験してみたい」と思ったからだ。
当時の職場では長期の休暇が取れず、このままでは人生が終わってしまうような気がした。
安定した職を手放すのは怖かったし「無謀なことかも」とも思った。
それでも私は行った。
その旅は決して楽なものではなかった。
言葉も文化も通じない土地で、孤独を味わったけど親切さも知った。
だが今、その経験は間違いなく私の中で生きている。
それは収入にはならなかった。キャリアにも直結していない。
だが、自分という人間を支える土台になっている。
経験に「値段」はつけられない
お金は大事だ。生活に直結している。
だが、人生にとって本当に価値のあるものは、往々にして数字では表せない。
人との出会い、自分の弱さとの対峙、
諦めそうになった夜や、泣きながら踏み出した一歩。
それらはすべて、経験という名の財産である。
あなたの経験もまた、プライスレスである
「私の人生には何の価値もない」
そう思ってしまうことがあるかもしれない。
だが、価値は最初からわかるものではない。
時間が経って初めて「意味があった」と気づくこともある。
だからこそ、自分の経験を恥じず、軽んじず、
できることなら言葉にしてみてほしい。
それは、誰かの支えになるかもしれないし、
何よりも、自分自身への理解につながるはずだ。
終わりに
経験は一銭にもならないかもしれない。
だが、それを積み重ねてきたあなた自身に、価値がないわけがない。
数字では測れない、自分だけの物語。
それを誇りにして生きていけたらと思う。